皮膚が乾燥して肌がかさかさした状態になります。全身各所で乾燥が起こる可能性がありますが、特に乾燥を示しやすい好発部位は上肢や下肢、背中などです。

乾皮症では皮膚の乾燥症状に加えて、見た目にもカサカサとした状態になり、かゆみを伴うこともあります。皮膚をかくことで粉が吹いたような状態になります。

さらに、皮膚の色調変化も伴うことがあり、灰色やくすみがかった色、紅斑(赤い皮膚症状)がみられることもあります。

乾皮症を放置すると皮膚炎を生じることがあります。皮膚炎を発症するとかゆみや赤みがさらに悪化し、浸出液や痂皮(かさぶた)形成、掻破による出血を合併することもあります。

乾皮症の診断は、基本的には医師による詳細な問診と身体所見をもとにしてなされます。問診を通していつ頃から発症しているのか、憎悪因子があるのか、季節的な変化があるかどうかを確認します。また、身体検診では、乾皮症に特徴的な乾燥肌の状態に加えて、皮膚炎の有無を評価することになります。

また、乾皮症で生じる皮膚症状は、何かしらの基礎疾患をもとにして発症していることもあります。具体的には甲状腺機能低下症を原因として皮膚の乾燥が起こることや薬剤によって起こることもあるため、皮膚以外の症状から乾皮症が疑われるときには、血液検査を通して甲状腺機能の確認がされることもあります。

肌の乾燥を防ぐには、普段からのスキンケアが欠かせませんが、各自にあったスキンケア商品を選定することが重要となります。

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